重い心臓病の子どもの手術ができるようになり40年余り。
その経験をした人たちが、冷静に体験を語ることができる時期になってきました。
戸惑い、不安、怖れ。やさしさ、希望、勇気。そして、力。
病気とともにたくさんのことを感じながら、過ごしてきました。
私は、病気を持つ大勢の先輩と、その命を生かそうとする人たちが、歩く道を整えてくれたと思っています。
今はもっと重症でも、小さいうちに手当てを受け、当たり前に日常を過ごせるようになりました。
同じ病気でも違いが大きくなり、想いを共有できない寂しさ羨ましさもあります。
ただ、問題なく過ごせていても、周囲の対応や人生の節目で病気の影響を感じざるを得ないこともあります。
健康な状態が前提の社会の中で生きていくには、当人が強くないといけないようです。
状況の差が広がる中、私には何もできないけれど、せめて、目前の道を整えていきたいと思います。
これからも自分の道を歩き続けていきます。
後に続く人たちの道がもっと歩きやすいようにと願いながら。