力を貸してください -病気があっても健やかに過ごしたい-- |
おかあさん、おとうさん おなかの中でびギブアップしないでここまできた私は とっても強運の持ち主なんだよ。 だから おとうさんとおかあさんに会えたんだ。 病気で産まれてきたことは、 おかあさんやおとうさんのせいではないし、 原因を探して何が悪いと言ったところで 誰がラクになるわけではない。 それよりも。 今は、私に力を貸してください。お願い。 今は医療もよくて、育っていくための力が得られる。 福祉制度を利用すれば、生活もそれなりにできる。 だから、手伝って。 |
手を借りることを恥じないで、感謝して病気のために手がかかることがたくさんある。だから、家族だけでどうにかしようとしても みんな疲れきってしまうし、 疲れるとつい、マイナス思考になったりするから。 手助けを受けたほうがいいんだよ。 人とのやりとりは気苦労も多いけれど、 快く力を貸してくれる人だっている。 手助けを受けることを恥じないでいて。 でも、感謝は忘れないで。 その姿を見て私は、たとえ自分の力がなくても、 できないときには助けを借りることを怖れずに 自分で生きていく勇気を得るから。 |
主治医は 親の次に大切な大人私にとっては、協力して病気とたたかう同志。身を委ねる大切な人。だから、信頼してください。 病気の治療のできる医師と、ふだん私をみている おかあさん、おとうさんが いい関係でいたら、 安心していられる。 不満も我慢してというのではなくて。 任せられないと思う時は、別の医師を訪れていい。 ただ、いい関係をつくる努力を忘れないでほしい。 そして、私が病気を理解できるようになった時には、 私との関係が始まるのだから、味方にしてきちんと渡せるようにしてください。 |
病状が悪くても、あきらめない、責めない病状が悪いのは、あの時の対応が、××が悪かったせい、そう思って自分や誰かを責めても、何の役にも立たない。 それより、今よりもよくなるよう工夫してください。 何もできないと あきらめないで。 よくなることを信じていてください。 思い続けるだけでも、きっと力になるから。 |
痛みは軽くできる病院での検査や手術は、つらそう。ちいさい子どもにこんなことを、なぜ? 決断を迫られて、躊躇するかもしれないけれど。 今は大変でも、病気を治めて、将来のつらさを軽くすることだから。 痛みがあったなら、それを癒せばいい。 つらいんだね、痛かったね、と声をかけられれば、 気持ちも軽くなる。 大切な人がよく考えた上で決断したことなら、私も受け入れられる。 どうしても必要なことなのだと、きちんと伝わったなら、きっと時が癒してくれる。 |