自立
 

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思い 気配り 誤算 [↑就職へ]

思い

時折、発作的に一人暮ししたいと思うことが、十代の半ばから続いていた。
親はいつまでもいないものだ。そう教えてくれた親に感謝しつつ。
でも、一緒に暮らしていた方が、安心だし、楽だし、経済的。
だけど。時折、発作的にとっても煮詰まったりしていた。

楽をしている。弱いから守られているのを、つい、当然と受け取る。
親の仕事を手伝っていると言うと、いいね、と言われるが、
頼っている危うさはずっと感じていた。
親がいなくなれば、生活が土台から崩れて行くだろう。
短期間ではあったが、自営をしている父が入院した時、
仕事のフォローをしながら、その危うさが身に迫った。

いずれしなければならないこと。
切羽詰ってからだと、することが増えるだろう。
今なら、もし無理ということになっても、親が控えている。
心配をかける。居るということに、頼ることになる。
けれど、余裕のあるうちに、足場を固めておきたかった。

そして、本屋でアパート情報誌などを見ることが多くなった。
動くきっかけがなく、時が過ぎていたが、
2年前、職安に出かけて、障害者として求人登録をした。
そこから親元を離れる強力な後押しを得ることとなった。
不景気の中、運良くある会社に巡り会えたのだ。 今年(99年)春のことだった。
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いざ、実行しようと思った時、 親の心配が蜘蛛の糸のように絡みついてきた。
私が気にしていた部分と、あちらからの働きかけ、
相乗作用で、振り切るのは大変。
それでも、家の状況から、最後のチャンスと思い、実行。

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気を配ったこと

自分が楽なように。気持ちも、身体も。

駅から近く、役場や郵便局、買い物できる場所が揃っている所、
家賃にも制約があるし、できれば1階の部屋。
最初は情報誌などで探していたが、街ごと気に入るといいと思い、
とにかく自分でも歩いた。今暮らしている街は、何度も通った。
日当たりよく使いやすい間取り、いい大家さんの部屋が見つかった。
1階の部屋という希望は、叶わなかった。
部屋がまあまあでも道路の間近だったので、遠慮したのだ。
(このことが、いい方に出ればいいのだが)

この沿線に、私の病気のことがわかる病院がある。
一般の医師にはなかなかわかってもらえないため、
かけ込める場が近いということは、安心につながる。

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誤算

実家で入っていた生協に個人宅配があるので、頼もうと思ったが、
こちらでは、班はあるが、宅配は扱わないという。
重い野菜を配達してもらえないことと、 班の付き合いは重荷なので、加入を断念。
扱う品物にこだわりのある生協だけに、 そこの品物が買えないのは、痛手だった。

生活が落ち着いてから気づいた。
本屋はあるが、何か、違う。
好みの品揃えの本屋でゆっくり過ごす時間が 私には必需品だったのだと。
……さて、どうしましょうか。

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