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(update:2009.6.)

国際障害分類試案 (ICIDH1980)

T.機能障害(形態異常を含む)

  1. 知的機能障害
    (1)知能の障害 (2)記憶の障害 (3)思考の障害 (4)その他の知的機能障害
  2. その他の心理的機能障害
    (1)意識及び覚醒状態の障害 (2)知覚と注意の障害 (3)情緒及び意思の機能の障害 (4)行動パターンの障害
  3. 言語障害
    (1)言語の諸機能の障害 (2)話し言葉の障害
  4. 聴覚前庭系の障害
    (1)聴力障害 (2)その他の聴覚障害及び平衡障害
  5. 眼の機能障害
    (1)視力障害 (2)その他の視力及び眼の障害
  6. 内臓障害
    内部臓器の障害 (2)その他の特殊機能の障害
  7. 骨格系の機能障害
    (1)頭部及び体幹の機能障害 (2)四肢の機械的及び運動障害 (3)四肢の欠損
  8. 変形による形態異常
    (1)頭部と体幹の変形 (2)体肢の変形 (3)その他変形による形態異常
  9. 全身性,感覚性およびその他の機能障害
    (1)全身性機能障害 (2)感覚障害 (3)その他の障害
U.能力低下
  1. 行動能力の低下
    (1)認識の能力低下 (2)関係における能力低下
  2. コミュニケーション能力低下
    (1)話す力の低下 (2)聞き取り能力の低下 (3)視覚能力低下 (4)その他コミュニケーション能力低下
  3. 個人ケアの能力低下
    (1)排泄の能力低下 (2)個人衛生の能力の低下 (3)着脱の能力の低下 (4)食物摂取とその他の個人ケアの能力低下
  4. 移動の能力低下
    (1)歩行関連活動の能力低下 (2)引きこもり状態にある時の能力低下 (3)その他の能力低下
  5. 身体配置の能力低下
    (1)家庭内での能力低下 (2)その他の身体配置の能力低下
  6. 器用さの能力低下
    (1)日常活動の能力低下 (2)手指活動の能力低下 (3)その他の器用さの能力低下
  7. 状況の能力低下
    (1)依存と耐久の能力低下 (2)環境上の能力低下 (3)その他の状況の能力低下
  8. 特殊技能能力低下
  9. その他の活動の制限

V.社会的不利の諸次元

生存するための役割
  1. オリエンテーションに関する社会的不利
  2. 身体の自立に関する社会的不利
  3. 移動性に関する社会的不利
  4. 作業上の社会的不利
  5. 社会統合の不利
  6. 経済的自立における社会的不利
  7. その他の社会的不利

3つのレベルの解説

機能・形態障害:
生物学的なレベルでとらえたもので、障害された機能・形態に着目したもの
(例えば、心臓のポンプ機能が弱いことや、視力が弱いことなど
皆が同様の身体ならば不自由さはないはず)
能力低下:
人間個人のレベルでとらえたもので、個体として実用性を持つ遂行可能な能力に着目したもの
(心臓病なら長距離歩くことや重い物を持つことができないこと、視覚障害なら周囲の状況がわかりづらいことなど
重い物を持てなくても、環境や過ごし方により不自由さを感じずに済む場合もあるはず)
社会的不利:
社会的なレベルでとらえたもので、社会的存在としての個人の受ける不利に着目したもの
(心臓病なら体調に見合う仕事がないこと、視覚障害なら書類に書かれた役所からの通知が読めないことやウインドウズマシンがそのままでは使えないことなど
特にひとりで生活をする時に感じる壁。個人の工夫ではいかんともしがたい)
カッコ内はとらえ方の例、この文字の部分は、悠のつぶやき

具体的にどういうことをいうのか(特に移動能力低下以降で)わからない部分もあるが、これをみていると、障害といわれるものの本質がはっきりするように思う。
困っていることの原因がどういうところにあるのか、どうすればいいのかを考える指針にもなるのではないだろうか。

現在では、改定版のICIDH-2も公表されている。
日本語訳の完成版はまだないようだ(欧米の感覚で言葉が用いられているため、内容を理解できる訳が必要となる)。

参考文献:障害者施策の発展(身体障害者福祉法の半世紀)/丸山一郎著・中央法規

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