*きもの熱
どこかに潜んでいた、着物を着たいという想いが沸騰中。
とはいえ、高い背丈は着物から拒まれ、お誂えするほどの冒険心はなく。
出会いに任せようと、なるべく着物のある場所へと向かう。
決まりごと、帯や小物の合わせ方、知れば知るほど難しそう。
けれど、奥も深そうでわくわくする。
着たいという思いはあっても、着る機会も身近に着ている人もなかった。
成人式は行かなかったし、卒業式も時間をかけて準備する余裕がなく過ぎた。
だけど、昔は普段に着ていたものだし、所作が違って背筋が伸びそうで。
20歳の頃から華やかな振袖よりも藍一色で染めた浴衣の美しさが好きだった。
華やかな友禅や刺繍や錦の帯に、一旦は目が行っても、
江戸小紋や紬、織物や半幅の帯に惹かれる。
好みとふさわしい年齢に近づいたようだけど、年季が入らないまま着こなせるものか、
そもそも体力がないのに身につけられるものなのか。
疑問がたくさん。
まず着てみることが一番といわれても、
着られるものが限られるから、スタートラインがちょっぴり後ろ、
まずは着たいと思うものに出会うことから。
あこがれている布はあるのだけれど、
織り手の少ない貴重なものだし、広幅は望めないので、
身の丈に会う出会いを求めて、放浪中。
(08.11)
*ちいさな鉢植
斑入りのゼラニウムを買って来て数年。
折々に花を咲かせた株から、挿し木をした。
小さいまま花を咲かせた子株を植え替えて、鉢数が増えた。
そうして、ファミリーが増えていく。
いつも風が流れ、日当りも限られる、環境の厳しさからか、
手入れが悪いせいなのか、
茂ることのない小さなゼラニウムが、今は7鉢。
仲間がほしくなって手に入れた、モミジ葉ゼラニウム。
かわいさに惚れた、野性系の小さいバラ。
そんな仲間とともに、玄関先で家の守をしている。
(08.09)
*熟成中
今年のささやかな目標の一つは、ぬかみそを維持すること。
母からもらったぬかみそは、
しばらく手をいれられなくて、見事に虫が湧いていた。
死滅するまで袋詰め、これがなかなかしぶとくて。
以来、気になりながら遠ざかっていたけれど。
やっぱりやってみたくて、自力で始めてみた。
暑い時期は手を入れられなくなるのがネックだけれど。
ぬかみそくさい女になれたらな。
(08.03)
*今が旅立ち
好きだったシンガーへの想いに終止符が打たれた。
年賀状が、とうとう戻ってきたのだから。
毎年暮れ、ありったけのCDをかける事をしてきて、
ふと、聞き流してしまうことに気付いた昨年末。
そう、もう潮時だったのかもしれないね。
東京のライブには必ず出かけたことも、
私設ファンクラブを回したことも、
北海道まで追いかけていったことも、
今は青春の1頁。
やるせなさはやるせなさのままとっておこう
怒りは怒りのままでとっておこう
人を傷つけてしまう
その前に思い出せるように
魔法の去った後の空しさを分かち合えるように
今が旅たちの時と心に決め
荒海へ一人舟を
舟を漕ぎ出す
「今が旅立ち」片桐麻美 作詞
(08.03)