最終更新日:2006/5/4 [↑もどる]

*新緑

芽吹きがまだ固まらない時期は、いつもと緑が違う季節。
やわらかにパウダーグリーンをまとっていたり、
淡く明るい緑だったり、まぶしくきらめく黄緑だったり。
そしていくつもの種類の樹々が生えている山をみれば、
それぞれの樹が重なりあって、多様な緑のシンフォニー。
鮮やかに芽吹きのエネルギーを発している樹々の姿が、深く心に残る。
根を生やしてその場で生き続けてきたことが、その風景を作り出す。
偶然にその景色=今があることに感嘆せずにはいられなかった。
(06.05)

*尊厳死

医療系の話題は、医師の意見が多いのだけど。
死に関する様々なことに対して、医師の話しが主導権をとるのは変。
だって、医療の側が死のかたちをきめてきたんじゃないか。
今がいいのも悪いのも、医療者の影響が大部分じゃないか。
延命治療が苦しいものだとしたら、反省なく行われ続けることがおかしいし、
意識がなければ、苦しみを感じられるものかどうかわからない。
表情をどうとるかは、見る人の思いにも左右されるものだから、
その時のことなんて、想像することしかできないもの。

法律では、医師が判断し、医師の看取りがなく疑問があると警察も関わる。
そんなかたちは、人類の長い歴史からしたらごくごく最近のこと。
宗教が担う儀式から離れ、医療に任されてきたのは、ここ数十年程度か。

どんなかたちであれ、生きようとするのが生命本来の姿だと思う。
そして、どんなに手を尽くしたとしても、死は引き止めることはできない。
そのことに思いを寄せるなら、
見苦しいとかこうしたいと思う人の意思なんて、ほんのちっぽけなもの。
生きる人の苦しみを和らげる方法を考えることが、死をどうするかよりも先にすべきこと。
終末期も、延命も、生きている人のことなのだから。
(06.04)

*今年の桜

満開の桜並木は、大きく広がった枝を埋め尽す桜色。
植えられて数年の若木は、すっくりした立ち姿に、花々。
妖艶な並木よりも、りりしい、若さのエネルギーが好もしい。
青空によく似合う若木の姿に励まされながら、会社へ向かった。

大きな公園の樹木。散る花びら。
いろいろな桜があって、それぞれ少しずつ時期が違っている。
私の行った時は、白い大きな花が今が盛りと咲いていた。
それは大島桜、見なれたソメイヨシノより一回り大ぶりの花。
桜以外の樹木も、晴れやかに、華やかに、そこここで春を喜んでいる。
広い園内に、様々な樹が見事なコントラストを奏でていた。
(06.04)

*料理

切ったり刻んだり、煮えたぎったお湯を流したり。
料理の動作っていうのは、激しいものだね。
その激しさがストレス解消。

食べ物をたべることは、命をいただくこと。
それだから、調理にはどこか残虐なところがつきまとう。
内にある残虐さをそんな形で開放しながら、自分を保つ、
もしかしたら、そんなところがあるのかもしれないね。
植物の伸びる力、動物の生きる力。
それらをいただいて、生きる営みが続いている。
(06.03)

*時の流れ

同じ時間の長さでも、どうして違って感じられるのだろう。
充実していてふと周りを見まわしたとき。
気持ちばかりが空回りして過ぎていくとき。
何をしても重い気分を感じているとき。
気がつけば、思いがけず時間が経っていたり、なんだか全然進まなかったり。
そして、順調な時は、時間に乗れたように思い、
不調の時には、時の流れをつかみ損ねているようで。
しっかり自分のものにした時間をどれだけ持っているか、
もしかしたらそれが、人生の充実度なのかもしれない。
(06.03)

*駅歩7分

北風が電車の音を運んでくる。
駅からさして遠くはない場所にずっと暮らしている。
生まれ育った家も、家々の間から電車が見えた。
新興住宅地にあったその家から別の街を選んだら、
同じ時期に拓けた場所にそれと知らずに落ちついた。
これからも、きっと電車の音とともに暮らすんだろうな。
足があって、お店があって、郵便局があって、図書館があって。
私にとっての必需品がそばにある心地よさ。
この街に移って、季節ももう7度目になる。
(06.02)

*ふくらまそう

自分というものは、風船のようなもの。
外から揉まれて押されて凹んでいたり、変形したり、小さくなったりも。
でも内側からの力があれば、ピンとしていられる。また大きくもなれる。
しぼんでしまったら、ふくらますのは大変だから。
ショボショボの風船は、誰も手に取りたくはないから。
小さくなったとしても、内から広げる努力をしていよう。
(06.01)

*活躍中

この頃なんだか夢をよくみる。
1月2日が初夢ならば、受付でカードを書いて入館手続き(?)を。
仕事をしていたり、バスに乗っていたり、坂道があったり。
何しようとしているのかわからないけど、夢の中で活躍中。

実体験でもしていることに近いけれど。
それだけではない、思いがけないものが、ふと現れるのが夢のおもしろさ。
もしや、なかなかに忙しい年になるのかも?
(06.01)

*この一年

今年の出来事を、喜怒哀楽でみてみると…
喜:津軽こぎん刺しの着物がたくさん見られたこと。
  こぎんは明治時代の生活着なので、なかなか見る機会がないけれど、
  こぎんの里、青森の展覧会へ行き、風土を感じながらじっくりみた。
  美しさを現代風に伝える作品にも会い、こぎんを愛する人の想いを感じた。
  東京でも、手仕事を尊ぶ人たちがこぎんのバックを展示していて、
  そこにも、実際に触れてほしいと、古い着物がおいてあった。
  貴重なものを惜し気もなく出品する方、今に伝える方の心意気がうれしい。
怒:障害者自立支援法成立。
  気になって学習会に参加したら、これは大変なことになると気付き、
  審議の様子をチェックしたら、この国はこんなにひどかったのかと愕然。
  障害がある人が困るというのもあるけれど、
  たった1年で今までの方針を根本的に変えることができる、
  その実績ができた恐ろしさ。
哀:ともに過ごした方の訃報がいくつか。
  階段を昇るのは休み休みでも活躍されたMさん。
  病気の大先輩で父と生まれ年が同じだったOさん。
  ボランティアする人される人一緒に学ぶサークルをつくったMさん。
  たくさんの勇気を授けてくださった方々でした。
楽:中島みゆきコンサートツアー千秋楽に行ったこと。
  友人のお相伴にあずかり、久々に音楽を聴きにいった。
  そして、スタンディング初体験。
  みゆきで立つとは思わなかったけれど、見せて(聴かせて)くれて、大満足。
  このごろ夜会がメインだけど、やはり、みゆきはうたってこそ。
  歌姫にまた会いに行きたい。そして、美しさにあやかりたい…。
(05.12)

*寒冬

本格的な寒さが居座るこの冬。
ひときわ寒いある日、外へ出て身をすくめた。
そして、肌に触れる空気の緊張感に
なんだかファイトもわいてきた。(多少カラ元気?)
青空に目をやり、気がつくと早足になっている。

夜、きらめく星がまたたいている。
星座を辿る中、ひときわ明るく白いシリウスの輝き。
冷たいほど美しく、澄んだ光。
冬ならではのそんな夜空にみとれていた。
(05.12)

*百日紅

この夏 目についた花は、さるすべり。
文字通りの鮮やかな紅の花。緑濃い葉とのコントラストが美しい。
くすんだピンク色の花。独特の雰囲気に気配を感じる。
真っ白の花。フリルの花びらが細いしべと一緒に繊細さを醸し出す。
伸びた枝の先につく花房、遠くからでもそれとわかる樹形。
華やぎを添えて立つ樹に、幾度目を止めただろう。
一番身近なのは、通勤時のバス停そばの白花の小さな樹。
近所の盆栽棚にも、小さな鉢に植わって咲いている。
ずいぶん多くの樹があると、花がなければ気付かなかったな。
(05.09)

*風吹く

10代のころに出会った方の訃報が続いた。
また会うこともあると思っていたけれど、なくして気付く、その人の大きさ。
なんてことのない関わりの中で、
大切なことをしていただいたり、教えていただいたりしていたこと。

のこされた者は、いつも かなしみや やりきれなさを抱えるものだけれど。
逝く者にとっては、つらさの終わりでもあると思うから。
そして、終わりは、新たなはじまり。
10代の私を過去にして、新たな方向へ向かう時期なのかもしれない。
(05.09)

*トマト

暑い夏、少し酸味がほしくて、トマトがおいしい。
甘いだけの桃太郎なんかは果物と思うけれど、酸味のあるトマトは野菜。
勝手にそう思っていて、野菜トマトの方がいいのにと思う。
これって、りんごで紅玉がいいというのと通じるかも。
子どもの頃、ケチャップは好物でも、生のトマトは大嫌いだった。
変な子といわれたけれど、口にした時の生の香りはたまらなく嫌だった。
いつの間にか、食べられるようになったのは、鈍感になったからなのかなあ。
赤い色に元気をもらいながら、台所の片隅にあったトマトを切っていく。
(05.08)

*クールビズ

職場の冷房が28℃になって、半月。
昼食後の蒸し暑さに辟易としながら、多少消耗しながら、
家でほとんど冷房に頼らない生活をしている身には、
まあいいかなあ、という感じ。
でも、どうせなら、暑い地域の過ごし方を参考にして、
昼休みは2時間とか、ゆったりした時間を過ごすなど、すればいいのにと思う。
それにしても不思議なのは、ネクタイを止めても、上着を着る男性方。
もっと不思議なのは、ナノテク素材などを活用して涼しい衣服を作れという意見。
上着を止めた方が、よほど涼しい気がするのだけれど。
昔は綿や麻といった自然素材で過ごしていたのだけれど。
武士の夏の正装は、暑かったのかどうかなあと考えながら、
音頭とりがあって始まったクールビズの行方にちょっと注目中。
(05.08)

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