最終更新日:2005/6/23 [↑もどる]

*能

不思議だなあと思う。
舞台道具がない中で、ほんの少しの動き、
表情の見えない顔、一部分しかわからないことば。
ただそれだけなのに、伝わるものがあることが。
舞台を眺めているうちに、面の表情が変わっていくことに、引きこまれていく。
それがとてもおもしろくて。
業もかなしみもうれしさも、私の中にあるから、わかるんだろうな。
合間の狂言では、おかしみを感じて。
ある演目、そこでは決して悪い事をしていない、
むしろ精一杯の思い遣りを持ち接していた人から
退治されてしまう鬼女の話しには、納得できなくて。
現実にもあるそんなすれ違いも思い浮かべながら…。
あの空気を味わいたくて、知りたいことがいろいろあって。
また観る機会を楽しみにしている。
(05.06)

*気持ち

うれしい、かなしい、つらい、たのしい、おもしろい、くるしい…
気持ちを表す言葉はいろいろあるけれど
うれしい、とか、かなしい、という人は
たった一つだけ感じているのかしら。

大変なのを承知でやりたいことをやっている時は
つらいけれど楽しいし、
がんばって無事終了の後には
やったぁ、うれしいと、あー、苦しい…が同時にあって。
かなしい、くるしい、つらいは
避けたいもののように思えるけれど
つら楽しいや、うれ苦しいって、ふつうじゃないかなあ。
おもつらい、苦楽しい、いろいろあって
それぞれが、その時々の思いなのではないかしら。
(05.06)

*バス

都会のターミナル駅から乗ったバスは、電車と違って空席がいっぱい。
乗っているのは年配の方。外の雑踏がうそのように感じられる。
発車してしばらく進んだ広い道からはずれ
いつしか車とすれ違うのがやっとの細道を曲がっていく。
停留所を過ぎる度に丁寧に案内していた運転手が途中で交代。
都内とは思えないのんびりとした空気が流れている。
車窓を楽しんでいたら、降りる場所へ来て
寒さに立ち止まってから、目的地へ向かう。

最近のバスの運転手さんは、とてもていねい。
襟元にマイクをつけて、案内している。
通勤の路線では、前は急発進急停止の人がいて怖かったけど
今はそんなことはなく、対応も親切
年配の方のマイペースのしぐさにも、ゆっくり付き合っている。
自分で運転できない人たちの大切な足、
こんなバスの変化を、働き盛りの方は知らないんだろうな。
(05.03)

*年賀状

ご無沙汰している人に思いをはせ、新たな出会いを思い出し
イラストにほんわかしたり、にやりとしたり。言葉に励まされたり。

そして、遅れて届く、寒中見舞い。
見知らぬお名前に、内容をと見ると、思いがけない訃報、だんなさまからだった。
志を持ってサークルを立ち上げ、仲間をまとめたMさん。
そういえば、今年は彼女のほんわかした文字を見ていなかった。
彼女に出会っていなかったら、たぶん私は今みたいに行動していない・・・。
いろいろな想いを感じつつ確めつつ、はがきの束をしまう。
(05.03)

*節目

ああ、もうそんなに経つのかと思いながら、振りかえり
じゃあこれからはどうだろうと、先を思う。
先の見えない中
ここまでいられたらと思っていたところを
気がつけば通過して
その中で固まってきた目標を、また先の道しるべにして。
5年後を一つの節目にして、一歩一歩進んでいきたい。
(04.12)

*障害者の日

今年もあった、障害者の日。
特別番組や投書の記事やら見ていて、いつもながら思う。
障害者とのふれあい、それが必要な人も大勢いる。
同じ街に暮す障害のある人のことを
気づかずに関わらずに過ごしてしまっているのだから。
それだから、触れ合うことのできない障害は、さらに見過ごされる。
今回もやはり見過ごされてしまったようで。
いつかそこまで周囲がみてくれるようになった時には
特別番組なんてなくなっているかもしれないけれど。
まだまだ様々な思いや葛藤が行き交うことになりそうだね。
(04.12)

*テーマソング

大好きな片桐麻美のうたが、私のテーマソング。
勇気づけられるうたがいくつあるだろう。
彼女のうたう姿を見ることができなくなってそろそろ4年。
CDにない曲もあるので、うたってほしいけれど、叶わない願いなのかな。
口ずさむことの多いうたは…
♪風のうた ♪飛び石のように ♪おやすみなさい
そして、片桐さんのHPに歌詞が載っていない、
このうたに励まされることも多いです。

♪…期待がかなしみに変わっても 涙を集めて海をつくろう
これから舟を出す人に明日を夢見る地図をつくろう
かなしみに迷わないように地図をつくろう…
…言葉が声にならない夜は ため息を集めて南風をつくろう
これから舟を出す人に 未来へ向かう地図をつくろう
微笑みの風に出会えるように地図をつくろう…
(君はたくさんのひとからできている)
(04.11)

*命のリレー

子どもを産み育てること。
臓器や骨髄移植の提供の意思。
そんなことばかりが強調されるのだけれど。
忘れていませんか、
遺伝子には35億年の生命の記憶があることを。
何気ない人の営みは、周りの人によって伝えられていることを。
そう思うとき、命を繋いでいるのは
新しい命を迎えることや、死に向かう命を救うことだけではない。
人の食事をつくることも、動植物のいのちを食べて生きていくことも、
人を力づけて喜んでもらうことだって、立派に命のリレー。

産まれることのない命も、幼くして亡くなる命も、
大切なものを伝えるためにそこにいる。
そのバトンを周りの人たちに渡すために。
みえないけれど大事なものを伝えて、
命が始まり、終わり、営みを続けている。
(04.11)

*花火

湖畔のさわやかな空気の中で
夜空に僅かな時間だけ開く花が
いくつもいくつも咲いていく。
ああ、とみとれているうちに、激しさを感じて
いつの間にか風下になった私に
小さな黒い煤とにおいが届いて
夜空が静まりかえった。
そのままのかたちでは留めておけないことが心残りだった。

再びみた時、最後には一番大輪の花。
散っていく大きな花を見つめながら
ここにいられたことの幸せを感じていた。
(04.08)

*人名漢字

人名に使える漢字が増えるらしい。
候補によくない意味の字もあって、苦情の多かった字は外すらしい。
なんだか、変だね。
「冥」の字も挙げられていたけれど、よくない意味はあったかな。
冥利も冥加も、冥土だって、決して悪い意味ではないのにね。
冥王星っていう名前をつけたい人がいたら、どうするのかなあ。
親の感性で変な名前にされることもあるけれど、
大多数の人はあっても使わないだろうに。
その漢字を使わなくたって、変な名前はいくらでもつけられるのに、
字のイメージだけで判断するなんて。
名字が変わることになって、妙な意味になることだってあるのにね。
(04.07)

*同類

そうなんだ、同類みっけ。
同類を見つける度に、不思議な気分になる。
自分と同じところがあると、どうして安心できるんだろう。
最近みつけた同類項は、歩くのが早い人。
早く目的地に着けば、早く休める。
却って疲れるんじゃないかと言われたこともあるけれど、
これが私の行き方。
彼女も自然に身に付けた行き方。
(04.07)

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