障害者自立支援法を考える
旧版資料心臓病者がみた問題点たとえるなら  悠々いこうへ
不完全な記載もあるかもしれませんが、気付き次第、修正していきます。
(06.12.31 UP)

!緊急署名!

次回1月の国会に向けて、署名が行われています。
前回の締め切りでは約3週間で44万以上が集まったそうです。でも、受け取った側の対応は芳しくありません。・・・


自立支援法の成立した10/31日に集会が行われ、15,000人が反対の声をあげました。
さらに、今国会(12月15日会期末)中に声を届けようと、署名活動が行われています。
一次締め切りは8日までと、時間がありませんが、faxでも送れます。一人でも多くの方のご協力をお願いいたします。

今国会で

補正予算がつき、審議でも取り上げられています。
何が大切かという点まで考えれば、まだホンの一歩前進にすぎません。
一時しのぎではなく、先を見据えた策の話し合い、障害のある人の実態調査をしてほしいと思います。

完全施行

10月から、新制度に切り替わりました。作業が間に合わないところもあるようですが、
私のところは決定通知も来て、手帳も届きました。
今まで受けていた内容に変更はなく、3年間有効でした。
身近の同病者の中で、かなり幸運な例です。
期間が短かったり、時間数が減った人もあるそうです。
(期間が短いのは、病状が不安定と判断されたのかもしれません)

障害者自立支援法施行3ヶ月

福祉番組で検証されましたが、作業所に通う人、施設にいる人が一番打撃を受けている様子。
法律をみて影響を考えれば、わかることではありましたが…。
作業所や施設を止める人もいるといいます。
障害者自身や家族だけで抱え込むようになれば、問題が見えなくなります。
支援法だけの問題ではなく、老人や医療費の負担を上げることも、方向が同じです。
個別の問題として埋もれることのないようにしなくては。

障害認定調査を受けました

私の市では、自宅に調査員が来て調査し、医師の意見書は市の方から主治医へ送られます。
内部障害は反映しにくいと調査員が言います。理解がありホッとしましたが、審査会の判断はまた別の話。
調査項目でADL(行動に関して)は問題なし、精神面でいくつか特記してもらいました。
といっても、健康な人が理解できる伝え方をするのは難しく、気力がなくなる、といったあいまいな記述にしかなりません。
ただ、ヘルプを受けることで安心を得ていることが調査員の方に伝わったこと、対象外になっても市独自の制度でフォローを考えていると言われたことは、収穫でした。
9月の結果を待つばかりです。

・認定調査の内容は、厚生労働省障害程度区分に関する通知等
1に調査用紙、医師意見書用紙、3では、それぞれの記載の手引きがあります。
調査項目がたくさんありますが、わかりきったことは聞かないでもいいことになっています。
そのため、見かけで判断されかねません。
どのように書かれるか、それによって受けられるかどうかが決まるので、自身でどういうことが大変なのかを調査時にきちんと伝えられるよう、内容を知って、傾向と対策を事前にしっかり立てておきましょう。
質問項目で書ききれないことは、特記事項として記載されます。細かいことでも、ふだんどこか無理をしていると感じていることがあれば、伝えましょう。
医師の意見書の内容でも、判断が分かれることになりそうです。
しかし、疾患別になっている年金の用紙と違い、専門医がどう書いてよいか迷いそうです。
生活の大変さを主治医と話す機会はなかなかないでしょうが、意見書のお願いの時に希望を伝えておきましょう。
動いたことが結果に反映されます。自分のために、しっかりやっていきたいものです。

・費用の減免は、状況が変わることもあるので、途中で新たに申請もできます(申請の翌月から反映)。状況が変わった時にはすぐに連絡しましょう。

・ポジティブに
 障害という枠に入れば半ば自動的に支援が受けられるとしたら、自分で主張するきっかけを失い、周りが何かしてくれないから、といった気持ちも生まれてきます。
自身の状況を伝える負担は大きいものですが、どうして支援が必要かをわかってもらうきっかけになります。それは、これからの力になるはず。認定調査という機会をプラスにするきっかけにしていきましょう。
そう考えると、自律支援にはなっているかも…。 
(支援法に問題はありますが、法律は運用のしかたで異なってくるものです。これからも変えられるかもしれない、その余地は残っています。)

サービスを受けるために提出する書類は、気持ちの負担が大きいもの。
申請書はともかく、問題は他の2点=「世帯状況・収入・資産等申告書」「同意書」
 以下は千葉県某市の例(自治体により違うことがある)
*世帯状況・収入・資産等申告書 記入項目・添付するもの
「給料などの所得額」「年金額」「障害者手当や特別児童扶養手当などの額」+その合計。
それぞれに証明書の添付が必要=「源泉徴収票や確定申告書のコピー」「年金証書コピーか振込通知書」「手当の証書のコピー」
特例(家族の収入を含めないようにする)を受けるときは、「世帯全員の氏名・続柄」「市民税が課税か非課税か」「健康保険は国保か社保か」を記入し、「全員の健康保険証のコピー」の添付が必要。
(施設やグループホームにいる方には、収入の他、「預貯金の額」「不動産の所在地」「その他資産の内容」を記入する欄があります)
*同意書
市長あて。“必要に応じて私の世帯の住民票、税額、健康保険加入状況、収入、所有する財産等の調査をすることについて同意します。”という文言。誰がどうやって調べるのでしょうか。疑問です。
日本障害者協議会(JD)のサイトに提出書類に関するQ&Aがあり、同意書は提出しないこともできるそうです。→http://www.jdnet.gr.jp/JDWebLetter/2005/20060316qa1.htm

1月下旬の説明会では、4月の実施なのに、まだ具体的に規則が定められていないと聞きました。
今支援費を受けている人はそのまま継続できるといわれています。(千葉県某市の場合)
ただ、負担が大きくなっても暮らしていかれるのか、必要な支援を受けたくても受けられないことはないか、見ていくことが必要です。

・医療費に関して
医療費助成を受けている場合、今後すべて一割負担になると誤解も多いそうです。
身体障害者の場合、自立支援法で変わる部分は、更生医療・育成医療の2つ、心臓病では、手術入院のみ対象になります。
身障者手帳1,2級の医療費助成制度は、国の制度ではなく、都道府県などで行なっていますので、自立支援法とは関係ありません。
ただし、更生・育成医療でフォローされなくなった分を、もし自治体の制度で受け持つことになれば(←そうなるのかはわかりません)、自治体の財政が足りないからと、今まで無料だったところは所得制限ができるなど負担増になることも考えられます。
文責:悠
*ちょっとまって!! 障害者自立支援法 (昨年までの記録)

本当の問題は何だろう?

障害や病気の人の支援を、国がどれだけしていくのか、個人の努力、家族の努力をどこまで求めるか。その合意をつくろうとしないままに、国は一方的に変更を決めた。問題を三点にまとめてみた。
1,自立支援法では、働くことが求められるが、健康な人が基準の中では、障害や病気がある人は能力が足りないものとみなされる。人一倍、いや数段の努力をして、ようやく一人前ということが多い。また、問題を起こされてはと、一般の会社で採用されづらい。
一方、障害ゆえに働くことが困難な方も少なからずいる。そういったことへの方策がないまま、一つの基準(金銭を重視した価値観)を当てはめようとすることが、一番大きな問題点。

2,食事をしたり、本やテレビをみたり、外出したり、体調の維持に医療が必要だったり、日常の生活としてあたりまえのことをするために援助が必要な時に、援助はサービスなんだからと使った量に応じて費用を求められる。払える費用が足りなければ、生命の維持、食事やトイレや風呂が優先になる。それでは社会的に生きようとする道が閉ざされる。外出は海外旅行に行くのに等しいくらい、気軽にできなくなる。
命は維持できても、生かされず殺されず、とでもいうような日々が続くことになる。

3,子どもの医療費助成である育成医療は、身障者手帳の手続きがなくても使える=障害でなくてもフォローする。早く適切な治療をすれば、障害にならなかったり、軽く済む、成長期の子どもの特徴に対応した制度。それが障害の枠組に入ると同時に金銭的負担も大きくなり、対象となる病気も見なおされるとしたら、家族にとって使いづらく、負担が大きい。
また、成長によって状況が変わりやすく、家族の状況にも左右される子どもの制度を大人の制度に合わせていいものか。費用負担を課すことで、病児・障害児の家族の所得が低いまま置かれ、兄弟ともども勉学の道が閉ざされることにならないか。育てづらさに耐えかねた家族に疎まれることはないか。

この法律に感じること。
いずれは空気がなくなる密閉空間におかれたような閉塞感。
うつ病対策を打ち出す厚生労働省が、うつ病のきっかけを増やしている矛盾。
財政で目先の利を追って、結局大損するのではという危機感。

伝わりづらい問題点

・健康な人たちに対して
昨春、全身性障害のある方主催の学習会で、支援法の内容を知りました。今までの福祉制度の考え方を根本的に変えるものなのに、内容の報道がないことに驚きました。日常的に困っている度合いの大きい方々の暮らしに打撃を与えることを実感しましたし、私にとっても影響があるものです。
でも、大変さの度合いが少ない私が、これは大変なことなんだと訴えたくても、相手に考えてもらえるように伝えることは難しかった。報道は少なく、また広い範囲の変更の僅かな部分しか伝えていないこともあり、きっかけをつくれないこともありました。
法案が最終的に通りそうになった頃、ようやく心臓手術の費用の話題がTVで取り上げられ、病児の親御さんも大変さを理解してくださったようです。

・重い障害の方たちに対して
日常的に困難がある方たちとはスタンスが違うので、不当だと訴えるエネルギーに圧倒されます。
報道番組では自立生活をしている方たちへカメラが向けられましたが、それでは健康な人は関係ないものと見る、いや、反発を招くものではないかと感じました。私の家族も同じ意見でしたが、その話しの中で、他人の手を借りながらも地域で暮らしたいという気持ちは、家族では理解してもらえないことを、制約を抱える私だから実感できるものだと痛感しました。
行動する方は、普段の大変さや怒りが訴えるパワーになっているのでしょう。でも、反発したくなる気持ちも理解してほしい。健康な人たちは実態を知らなかったり、ことの重さを扱いかねるだけでは。どうしたら気持ちを向けてもらえるか、何か方法はないのだろうかと思います。

・同じ病気の人に対して
福祉制度を受けていても、自分がどの制度を受けているか、どうなっているのかを知っている人ばかりではないし、日常的に困る人は少なくて孤立しているのを実感。
手術の費用だけなら、これから先あるかどうかわからない人も多いですし、考えたくないことでもありますね。
だから、なかなか問題点が伝わらなかったと思います。

広い範囲の変更をさっさとやって、文句の矛先を分散させて、わかりにくくしていることもあって。
むなしさ、くやしさ、やりきれない感情がそこここに。
でも、情報を追いかけてネットやMLの力を感じ、国会審議をじっくり見、社会勉強ができました。
自分で動いたことは、力になるはず。さて、これから。

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