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■ '09.冬 倉敷

岡山の行事に参加した翌日、倉敷に足をのばして散策。
冷たい風の吹く日だったけれど、趣きのある街を満喫。
  行きの新幹線
お昼の新幹線、指定は空いていて、ゆったり。外は寒いけれど、いいお天気。
ふと富士山が気になったけれど、雲に遮られて姿を見せず。ああご縁がないかしら・・・。
と思ってしばらく後。進むうち、もくもく雲の向こうから姿が!
もくもく雲と うん、まだ邪魔
富士 さすが、堂々の雄姿
今年はよいことありそうな。
岡山は、小雪が舞ったり、太陽が見えたりとくるくる変わる。この地方の冬はいつもこんななのかしら?
  倉敷出迎えの景色
朝、岡山から下りの電車で倉敷へ。
駅の改札を出て、カートを預けようとウロウロ。
ようやく陰の方にコインロッカーを見つけて、身軽になる。
すぐそこは行き先とは逆の出口。少し出てみると、観覧車が目に付く。
チボリ公園はすぐそこなんだね。
チボリ公園外観 

本日の目的は街歩き。
外に出ると晴れた空から風に吹かれて小雪が舞い降りてきた。歓迎されたのかな?
駅から伸びる広い道をまっすぐ歩いていく。

だいぶ歩いて、そう、この辺から美観地区。
人力車が待機している。川に小船が浮いている。     川面に舟 
立派な構えの家屋。休日だから門のところには国旗が掲げられている。(写真では木の陰)
橋向こうの趣き 

観光案内所の横には、郵便制度ができた当時のポストがあった。
そう、明治時代のポストは黒かったんだよね。いつ頃からベレー帽頭の赤いポストに変わったのだろう?
このポストは使われているもの。手紙を出してみたくなったけれど、余裕がなく・・・、残念。
明治時代のポスト 
これを最初見た人たちは、きっと郵便ではないものをいろいろ入れてみたに違いない。

案内所でパンフレットを見ながら小休止。

川沿いをぶらぶらと、店を覗きながら歩く。
狭い扉、土間のようなところから横に入ると、いまどき見かけない生活用品が。
アルミのおかず入れや摺り合わせの口のガラス容器、そして何故か染めていない絹や朝の布…。
和風小物やビーズや革小物のお店、見ていて飽きないものがたくさん。
寄りたいと思っていた民芸館の前を通る。少し迷ったけれど今回はパス。

いつの間にか、アイビースクエアのところにきていた。
オルゴールのお店に入ると、万華鏡や木の小さなかわいい置物。
音域の広いオルゴール、キラキラの世界が広がる万華鏡。時間を忘れそうになる。
散々迷って土産を選ぶ。

アイビースクエアの中庭は、寒風の中、殆ど人がいなくて広々。
屋根の上には風見鶏。ホントに風を見ているの?
アイビースクエアにて 屋根の上の風見鶏
それにしてもうららかな日ざし、時期がよければ座ってのんびりできそう。でも今日は…
風から逃れて土産物屋をのんびり見て、さて、お昼をどうしよう?
ここのレストランも候補だったけど、なんとなくもっと情緒のあるものをと思い、川の方へ戻る。

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瓦屋根の立派な門構え。塀の瓦も苔むして、風格を感じる。
素敵な門構え 
小道も趣があって、行きたくなる。
小道に入っていきたくなる 
消火栓の赤いプレートはいつからあるのかな?しっかり馴染んでいるけれど。
趣のある窓 
  

見て回るうち、よさげな風情のカモ井に入ることに。ぬく寿司とは何ぞや、ということで注文。
シャコなどが入った蒸し寿司、ぬくもりと程よい量でおいしくいただいた。

大通りから少し離れたところにある、大橋家住宅を見学に行った。
入り口のところで説明を受ける。
米蔵のある庄屋、間口の狭さからは意外なほど中がゆったりしている。
店の上がり口は座れる高さ。もしや、とそこの分厚い板をあげると入れ物になっている。さすが、無駄のない造り。
帳場には、ひとかかえもある大きな火鉢。
店の空間は、薄暗いけれど広く開放的な感じでどっしりとしている。

座敷にあがっていくと、天井が近く、電灯も目の前に迫り、背の高い私には小さく感じられる。
少し見て歩いた後、仏壇の前に座布団が置かれているのに誘われて、ぺたんと座って屋敷の主?にご挨拶。
そして周りを見回すと、なんだかとても落ち着く。
小さいなんて思っていたけれど、馴染みのサイズになったような感じで、
立った視点では感じられなかった家の感触が身に迫ってきた。
そうだ、ここの暮らしは座敷なんだね。通り一遍で歩いてみてはいけないんだね。
こちらのご先祖様に引き止められて教えてもらった。

蔵の2階には行かれるのか行かれないのか・・・、あがってみたくて はしご段をしばらく見上げていた。

庭を見ていくと、社があって、きれいな蝉の抜け殻がいくつもそばの木の枝や鳥居に残っていてびっくり。
他の家にも庭木があるだろうに、住み心地がいいのかなあ。
それにしてもきれいな殻、ここの時間の流れがずっと止まっているような錯覚に陥る。
神社 鳥居に蝉の抜け殻 

この建物、おそらく同じつくりのものを今造ることはできないだろう。
庇も、格子も、壁も、この佇まいも。
屋敷の庇  屋敷 
立ち去りがたくなったけれど、帰らなくては。

駅前まできたら少し時間があったので、商店街のアーケードの方へ。
目に留まった喫茶店に入り、暖かい飲み物で一息つく。
ゆっくりだけど、ずいぶん歩いたなあ。見所はまだまだ尽きないけれど。
そうして荷物を取り、電車の人となった。

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