<-前へ ||| ↑もどる  

■ '06.夏 ダイアログ・イン・ザ・ダーク 2006

異文化への旅、闇との対話というタイトルの催し。
  待ち時間
青山通りから細道に入ったところにある会場。
入口で誰何される。身分証明書確認。
光るもの、音の出るものは持ちこめない。
暗闇に光を与える、腕時計の蓄光の文字盤も禁止。
ロッカーにすべてしまうと、なんだか心もとない気分。
椅子に座って、友人と話しをしながら、時間まで待つ。
期待と不安と…。
呼ばれて、一緒になった8名は、2人連れ4組。
  出発
闇でのアンテナ、白杖が渡される。
はじめてしっかり持った。上手く使えるかな。
今回のアテンド(案内人)の視覚障害の方と顔合わせなどあって、出発。
足を踏み込んだ当初は、歩が進まなかったけれど、怖さは感じなかった。
案内人と友人がいてくれたことも大きかったと思う。
順番に入った時は真ん中より後ろだったのに、気がつくと友人は先頭にいるらしい。
私は友人と離れてマイペースで探索。
みな声を出し合いながらそれぞれに探索し、案内人に誘導され、いろいろなものに触れながら進んでいく。
草地や橋、歩道や階段、庭などごく当たり前にある場所だけれど、世界が違う。
感じられるものも違うし、何より感覚を楽しんでいる自分を発見。
普段いかに視覚に頼って触れていないのかと。
友人が発見した何かを口にすると、何故かそちらに人が集まる。
私は友人といると同じものを探しそうで、逆に離れて探索をしていた。
次の場所に向かう集合がかかると、みなすんなり集まる。
人にぶつかりそうになる前に、人が感じられる。
離れている人の向きがわかる時がある。
見えないけれど、感じることでまた別な情報が得られることも知った。

起伏があり少ししんどかったけれど、置いて行かれるほどではなく、カフェに来た。
別々に入ったのに、気がつくと友人の隣りに座っている。
果敢にもアルコール飲料を頼む人が半数。
私はあまり芸のない飲み物を頼んだ。友人と交換しつつおいしくいただいた。
ふとこの闇の中で食べ物を食べてみたいと思った。
でも、座っていると何だか疲れを感じた。
入ってからどのくらい経ったか聞かれ、意外と短く感じていたことを知った。
カフェを出て、少しずつ明るさに向かい、ツアー終了。
明るくなって、気がつくとみな足取りも変わっている。
後ろから呼びとめる案内人。おや?
決してついてこられない人ではないと思っていたのに。
光の世界で、彼は障害者になった。
今まで案内をしていて、頼れる存在だった彼が、そんなにも変わるものなのか。
闇の中で、じっくり話をする時間があったらと、後になってからそう思う。

闇の世界という異文化への旅。
視覚障害体験ではなく、感覚で彼らの世界を実感できる。
そんなツアーが関係者の努力と支援者の手で、毎年行なわれている。
また、今度は別の人と、出かけてみたい。

<-前へ ||| ↓もどる