*身障者手帳・・・ 多くの福祉制度を受ける際のパスポート

等級の不思議
等級は6級まで。しかし、すべてが6区分ではない。(内部障害に2級が、聴覚障害に1級がないなど[参考])
同じ種類の障害だけで見れば、重いか軽いかの違いなので、2級がなくてもいいのだが、
1,2級は重度、3,4級までは比較的特典があるなど、級により受けられる制度が限られているため、すっきりしない。

申請の際に
申請用紙のなかに診断書の用紙があるので、それを医師に書いてもらう。診断書費用の一部を補助する自治体がある。
診断書を書けるのは、厚労省の定めた認定医に限られる。専門医なら認定医になっている場合も多いが、そうでないこともあるので、主治医に話が通じない場合はケースワーカー(病院の福祉相談室など)に相談を。

時としてある、申請に関わる理不尽な対応
症状の固定が手帳の要件と考えられているため、3歳未満の子どもは手帳が取れない、という解釈がある。(内部障害には当てはまらない)
手帳制度の初期から障害とされる肢体、視覚、聴覚などの場合は必要なのだろうが、
先天性の内部障害の場合にその対応だと、本当に大変な時期に制度が利用できないことになる。
内部障害が認められたのは、後になってのこと。もとからの規則からすれば例外なのだが、昔の考えを引きずっている人もあるようだ。
(心臓病児が3歳未満でも手帳を受けられることは、厚労省が認めている。担当者の判断で変わるものではない。)

窓口で診断書用紙など、申請の書類を渡してもらえない(渡さないといけないのもの)、
医師が診断書を書きたがらない(個人的なお考えからだろうか)、そんな話を耳にすることがある。
制度を受けるかどうか、決めるのは本人(子どもの場合は親が代理)に任されるもののはず。

判定
内部障害の判定は、客観的な数値に頼れないため、かなり微妙なものだ。
医師の診断書のちょっとした記載により異なる可能性がある。
内臓の障害は重複していても、なかなか診断書に反映されない。
障害の認定を役所が客観的に判定するのではなくて、主治医の見解に左右される。
治療に当たる医師の前では、納得いかない思いがあっても言い出しにくいこともあるという問題もある。
なお、18歳未満と18歳以上では、診断書の用紙が異なる。先天性疾患のある人が大人になり手帳を受ける場合、その人の状況に合う判断ができるか疑問。

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手帳の受け取り
市の窓口まで取りに行かなくてはならない。
住民票などは出張所で当たり前に扱うのに、なぜ遠い市役所まで行かないといけないのか。
以前、再交付の際に尋ねたら、大事なものだから、としか答えらしきものはなかった。(書き留めで送ってもらうこともできない)
出かけるのも時間を割くのも大変なのに。
代理人でもいいというが、具合が悪いと家族にも負担がかかっているので大変だし頼むのも気がひける、
と食い下がったが、はんこが必要ということで、結局出かけなければならなかった。
当時は手帳を見せる機会(交通運賃割引など)は日常殆どなかったので、何ヶ月か放置した記憶がある。
でも、本当に必要な方は、時間を割いても取りに出かけなければならない。大変。


*身障者手帳の内容の変更

有効期限がないので
一度取得するとずっと同じものを使うことになるが、
・紛失したとき(要証明写真) ・障害の程度が変わって級が変更になるとき(要診断書、写真)、
・内容が古くなった-保護者欄は20歳になれば不要だし、写真も子どものままでは…というとき(要写真)、
再交付申請書を出すことで、新しい手帳に変更できる。ただし、新たな手帳が届くまで時間がかかる。


★この制度に思うこと
障害者という言葉にも誤解があるが、手帳を受けることで障害者になるのではない。
状況に対して、障害に当たると認めるもの、支援が必要な人だと認識してもらうためのもの。
障害者だから支援が必要なのではなく、医療のように個々の身体や生活の状況に合わせた対応が得られたなら障害者という言葉も手帳も必要ない。

障害は固定したものという発想の認定のやり方は、同じような大変さを抱えている慢性疾患の人たちを拒むものになっている。
制度ごとに申請や診断書が必要な場合も多く、障害の区分が大雑把な手帳を起点にした制度には納得できない点が多いように思う。

因みに、千葉県障害者差別禁止条例では国際基準も考慮されたのか、障害者は手帳を持つ人だけでなくもう少し幅広く対象となっているが、
国の制度は枠組みをきちんと決めて、個人の状況がそこに当てはまるかどうかを判断しているのだと感じる。
[参考:国際障害分類第2版を見て('05年記す)手帳制度に関して('05年に書いた解説)]

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