(2002.3.6.update)
アイドルや人気の人たちが話題の土曜夜の連続ドラマ。
原作とはまるで異なり、
病院ものとも恋愛ものとも思えないおそまつな内容で、
設定も行動も、それはないよ、ということの連続。
主人公の看護士は、心臓病の妹を亡くしていて、
勤め先(まだ本採用ではないが)に入院中の同じ病気の女の子が気になる様子。
女の子は20歳というのに、何もないのにナースコールを押すいたずらをくりかえす。
どうみても10代前半にしか見えないような、幼い行動。
だからきちんと描かれるとは思っていなかった。
けれど、見ていて怖かった。
第6話、女の子が呼吸困難の発作を起こす。
その時、妹(10代後半くらい)を回想する場面。
苦しんでいる妹に、ただ抱きしめることしかできない主人公。
妹は喘ぎながら、私、死んじゃうの?と言っている。
人間に対する感覚が、何か決定的に違っているように思った。
呼吸困難の発作が起きるほどの状態、専門病院へ通院していたなら、
医師から携帯用酸素の購入を勧められるだろうし、
苦しんでいるなら、救急車を呼ぶことも考えるはず。
その後看護士を選ぶ人、医療を拒否しているとも思えない。
そして、何ひとつ声かけることもしないなんて。
妹思いの兄を演出するにしては、あまりに馬鹿にした設定。
そして、喘ぎながらの「死んじゃうの?」(女の子も同様の言葉を発した)。
急に命を限定された状態ならともかく、
幼い頃から病気とともに過ごすと、その思いを人に問うことはない。
口にすると相手がどう感じるか、言わなくても理解し、
問うことがあったとしても幼いうちだけだろう。
そして、ファローという実在の病名の設定をして、
一番つらい状況を装っていることに、腹が立つ。
子どもの病名を告げられ不安の最中にいる親御さんが見たら、希望が打ち砕かれただろう。
本当に、疾患を持つ人や家族の心臓に悪いドラマである。第7話、女の子の病状について、医師のカンファレンス。
三尖弁の逆流があるなどと、専門用語で会話を装い、
レントゲンやエコーの画面をアップにし、リアルなように見せかける。
挙句に、このままでは生存できないとの断定。
けばけばしく装ったリアルさは、患者の私にとり猛毒だった。
医療関係の人も、それは違うという思いはあるだろう。
現実との違いばかりを見たら、楽しめるはずないと言われたことがある。
…そうかもしれない。
ただ、立場が違うから、そんな風にとられるのだと思う。
看護婦だって、あんなじゃない、という場面がたくさんあるはず。
でも患者と違い、仕事なら選んでなったということ。
自分でなったとしても、勝手に思い描いた姿を被せらたら、嫌なものだろう。
まして、患者の役は進んでなったわけではなくて、痛かったこともたくさんあって。
だから、突き放して笑いたくても、笑えなかったりするのだと思う。
それともうひとつ、全てが無茶なら、期待しないでいられたけれど、
ここはその通り、みんなに知ってもらいたいなと思う場面があった。
女の子がしゃがみこんでいたのを見られ、
周りの慌てた対応に、発作でないと言い張ったこと、
後で主人公が、温度差があると身体に負担がかかるから
そういう時はゆっくり深呼吸しなさいとさりげなく伝えたこと。
あったらいいなと感じたその場面が心に響いただけに期待してしまい、
カンファレンス場面とのあまりのギャップに耐えられなかったのだと思う。
嘘の部分にリアルを加味され、辛さ倍増という感じ。
でも、愚痴だけでは終わりにしたくない。
先へ… \(’’),
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